Saturday, December 16, 2006

Tokyo Book Fair #1



Tokyo Book Fair #1
Vaster than Empires and More Slow
帝国よりも大きくゆるやかに

2006年12月 16日& 17日
1:00pm~11:00pm
@ poetry in the kitchen
東京都文京区水道1-2-6 タトルビル2F
TEL:03-3812-6434


東京ブックフェアは、普段書店では流通していないDIYの本や雑誌が中心のブックフェア。
名前に負けず劣らず、非利益で細々としています。
開催場所は、飯田橋にオープンしたばかりのコミュニティスペースpoetry in the kitchen。
入場料はフリーですが、食事やドリンク、機材などにはカンパをお願いします。

*このブックフェア開催のきっかけの一つとなった石垣りんさんの詩「雪崩のとき」を添付します。ぜひ事前に読んでみて下さい。


スケジュール

12月16日(土)
D.I.Y. for book lovers

街は師走の慌ただしさだというのに
この日、この場所には何の予定もありません。
でも、こんな道具たちが待機しています。

Tシャツくん
プリントごっご
モノクロコピー機
ステンシル材料
スプレー
布や紙の端切れ
安全ピン
ノリ、テープ、カッター、マジックペンetc. etc.

そして沢山の本や雑誌。

喉がかわいたらcafé resistが、サパティスタコーヒー
お腹がすいたときには、抵抗食の会(仮)
体も心も元気になれる美味しい料理を提供くれます。
日暮れ前には、きっと何かが始まっているかも?


12月17日
Village of book lovers

本を読む、見る、聴く、詠う、踊る・・・・
2日目は、細々といろいろなイヴェントが動き出します。
参加料はフリー。


3:00pm~ 絵本リーディング

『いちばん美しいクモの巣』 
アシューラ・K・ル=グウィン作
長田弘 訳
ジェイムズ・ブランスマン絵
読み手:森美樹(少女小説家)


4:00pm~ サルサ・ダンス

サルサやキューバ音楽の歴史についてのお話を聞いた後、名曲「グアンタナメラ」に合わせて踊ります。今回踊る「グアンタナメラ」は、キューバの革命詩人ホセ・マルティの詩が使われた方のバージョンを使います。
ダンス指導:Rio(Salsa Fresca)


6:00pm~ ポエトリー・リーディング

リーディング参加予定者は、読む予定の詩をA4サイズの紙に書いて来て下さい。ポエトリー・リーディング終了後に、参加者の原稿をコピーして、その場で製本作業をします。帰りには参加者一人一人、できたての本を持って帰って下さい。

ブース

IRREGULAR RHYTHM ASYLUM

新宿にあるインフォ・ショップ。国内外の自主制作・非メインストリーム (=DIY) の音楽、ジン、ミニコミ、グッズ、などを取り揃えてます。物を売買するだけではなく、日の当たらない場所に追いやられている(もしくは日の当たらない場所を好む)人や情報が自由に交差する場でもあります。トーキョー・ブック・フェアーの12月16日、17日は、新宿のお店は閉めてますが、ブックフェアーのほうで営業してます。

イレギュラー・リズム・アサイラム
160-0022 東京都新宿区新宿1-30-12-302
Tel/Fax: 03-3352-6916
irregular(at)sanpal.co.jp
http://a.sanpal.co.jp/irregular
http://irregularrhythmasylum.blogspot.com/
Open 13:00 - Close 20:00 (水曜除く)

Tokyo Book Fairフライヤー




フライヤー・ダウンロード (PDF 5.2MB)

雪崩のとき

雪崩のとき

人は
その時が来たのだ、という

雪崩のおこるのは
雪崩の季節がきたため と。

武装を捨てた頃の
あの永世の誓いや心の平静
世界の国々の権力や争いをそとにした

つつましい民族の冬ごもりは
色々な不自由があつても
また良いものであつた。

平和
永遠の平和
平和一色の銀世界
そうだ、平和という言葉が
この狭くなつた日本の国土に
粉雪のように舞い
どっさり降り積つていた。

私は破れた靴下を繕い
編物などしながら時々手を休め
外を眺めたものだ
そして ほつ、とする
ここにはもう爆弾の炸裂も火の色もない
世界に覇を競う国に住むより
このほうが私の生きかたに合つている
と考えたりした。

それも過ぎてみれば束の間で
まだととのえた焚木もきれぬまに
人はざわめき出し
その時が来た、という
季節にはさからえないのだ、と。

雪はとうに降りやんでしまつた、
降り積つた雪の下には
もうちいさく 野心や、 いつわりや
欲望の芽がかくされていて
“すべてそうなつてきたのだから
仕方がないと”いうひとつの言葉が
遠い嶺のあたりでころげ出すと
もう他の雪をさそって
しかたがない、しかたがない
しかたがない
と、落ちてくる。

ああ あの雪崩、
あの言葉の
だんだん勢いづき
次第に拡がつてくるのが
それが近づいてくるのが

私にはきこえる
私にはきこえる。


1951.1 石垣りん詩集『私の前にある鍋とお釜と燃える火と』より

Quiver Distro



つい最近、IRREGULAR RHYTHM ASYLUM宛に、米サンタ・クルズ のQUIVER DISTROから、大量のジンが送られてきました。せっかくなので、今回のブックフェアーでみなさんと共有したいと思います。